現在、東村山市には二つの無形民俗文化財があります。「まつりばやし」と「雅楽・浦安の舞」です。「まつりばやし」については、市内での大きなお祭りの際に、地域を巡行している山車の上で奏されていたり、福祉施設や学校等でも実演されているので、ご存じの方も多いかと思います。なおかつ保持団体が六つありますので、目にされる機会も多いでしょう。一方で「雅楽・浦安の舞」は、市内の八坂神社や諏訪神社のお祭りの際に行われていますが、社殿の中で行われるため、あまりご覧になったことのない方も多いかもしれません。一般の来場者に向けて公開される機会は、主に正福寺の「地蔵まつり」があり、楽曲の解説付きで実演されているので、雅楽のことがあまりわからなくても、楽しく鑑賞して堪能することができるのですが、この機会を逃すと、なかなか身近に感じることができないかもしれません。
東村山の雅楽は100年以上の歴史を誇り、脈々と受け継がれてきた、郷土の伝統芸能です。ぜひとも多くの方に東村山の野口に伝わる雅楽について知っていただけるよう、今回の企画展を開催いたします。
都内にも雅楽を継承されている団体は多くあります。しかし、郷土芸能として文化財指定されているのは、ここ東村山の雅楽だけです。大正時代の青年団活動から端を発し、戦後全国的に青年団活動が下火になっていく中で、野口雅楽振興会を結成し、先輩たちからのバトンを絶やすことなく現在まで受け継いでいる、貴重な文化財です。本展示が「雅楽・浦安の舞」について、ご興味を持っていただける端緒になれば幸いです。
