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展示・イベント情報一覧


■ 国立ハンセン病資料館

開催期間:2012/04/28 ~ 2012/07/29
 現在の日本では、若い人びとにハンセン病が発症することはまずありません。しかしかつて若くして発症し、隔離された人びとは、療養所に生きざるを得ないという諦めと、やがて自分も目の前の長期療養者のようになってゆくのかという虚しさに苦しみました。
 1940年代後半に登場した化学療法薬は、療養所で一生を終えるというそれまでの通念を変えました。治れば社会人としての生活ができる、家庭を持ち、子どもを産み育て、家族とともにくらす、ということが夢ではなくなったのです。「らい予防法」には退所規定がなく、治癒して後遺症も軽い青年たちは、「長期帰省」や「一時外出」、あるいは「逃走」などの形で療養所を出ました。こうした「社会復帰」は、高度経済成長を背景に、1960(昭和35)年にピークを迎えました。
 しかしそれは戦後の療養所の若い人びとが、貧しくとも生活は保障される隔離下に生きるか、それともさまざまな障壁があっても「社会復帰」するかの選択を迫られることでもありました。隔離され、仕事や家庭などの生活基盤をすべて失った人びとにとって、もう一度社会に戻ることは大変難しいことだったのです。また隔離政策下にやむを得ず入所したにもかかわらず、就職の斡旋や仕事が見つかるまでの生活資金などの支援はほとんどありませんでした。一度療養所を出ても、厳しい生存競争に疲れ果てて再入所した人もいました。
 療養所の外には、ハンセン病が治るようになったことすら伝えられていませんでした。現在と比べものにならない激しい偏見の中では、ハンセン病であった過去を隠し続けなければならず、重労働、再発への不安が常につきまといました。人には言えない過去と後遺症のために「悔しい」「情けない」という思いに苛まれる辛さと、それでも自分の手で自ら生きる喜びを、共に抱え込むのが当時の「社会復帰」でした。
 本展では、1950年から1970年頃までの「社会復帰」についての議論や運動を紹介し、当時「社会復帰」を経験した人びとの姿を通して、若い回復者が直面した困難と挑戦の一端をお伝えします。また、ハンセン病をめぐって主として取り上げられてきた「療養所に生きる苦悩」ばかりでなく、「社会に出て生きることの苦悩」に焦点をあて、改めて私たちの中に潜む差別と偏見のありようを問いたいと思います。

•各月第3土曜日(5月19日・6月16日・7月21日)に学芸員による展示解説を行います(14時から40分程度)。
•「社会復帰」を経験された方等による講演会を予定しています。詳細は当館ホームページ等でお知らせします。


開催期間:2011/10/01 ~ 2011/12/27
 国立ハンセン病療養所入所者でつくる全国組織 全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)は、1951年の結成から60年を迎えました。この間、らい予防法改正・患者作業の職員化・生活費の確保・医療の充実・社会保障の確立・療養所内の整備などを、長年の患者運動を通して求め続け、少しずつ実現してきました。そしてついにらい予防法を廃止し、裁判で国に責任を認めさせるまでに至ったのです。現在では高齢化と人数の減少に直面する中で、生活と医療の場である療養所の存続と社会化を目指しています。
 こうした全療協の運動によりもたらされた成果が、戦後のハンセン病療養所の歴史を形成してきたと言っても過言ではありません。全療協の歴史を見ることで、その時代その時代に何が課題となり、どのようにして乗り越えてきたのかを知ることができます。患者・回復者や療養所とのこれからの関わり方を考えるためにも、全療協の60年のあゆみをご覧下さい。

※11月の毎週土曜日13:00~15:00 全療協の歴史に詳しい方をお招きし、連続講演会を開催します。


開催期間:2011/08/27 ~ 2011/09/25
 本展では、国立駿河療養所で暮らし、昨年4月にお亡くなりになった伊藤秋夫さんの遺作を紹介します。
 伊藤さんは、療養所からも間近にみえる富士山を中心とした風景写真に優れた作品を残しました。
 四季折々の草花に映える富士山、朝夕晩の刹那に浮き上がる富士山を切り取った作品には、観る者の心をわしづかみにする不思議な力があります。是非、一度ご覧ください。


開催期間:2011/05/21 ~ 2011/06/26
 本展では、国立療養所大島青松園に暮らす詩人 塔和子さんを紹介します。
 塔さんは14歳で入所し、1957年頃から詩を作り始めました。以来54年間詩作を続け、これまでに膨大な数の作品を生み出してきました。1999年には、詩集『記憶の川で』が高見順賞を受賞しています。
 塔さんは詩の題材を日常生活の中に求めるため、療養所内の変遷や人間関係など自らを取り巻く状況から影響を受けて、詩の色調を変えてきました。しかしその詩は一貫して、自身の内面をうたっています。
 本展では、これまでに編んだ19冊の詩集から順に1篇ずつ詩を紹介し、塔さんの詩の変遷を追います。また、塔さんを写した写真や直筆原稿なども展示します。詩に表現された塔さんの人となりを感じていただければ幸いです。

付帯事業

○沢知恵 塔和子をうたう ピアノ弾き語りコンサート
日時:2011年5月28日(土) 第1回・12:00~13:00/第2回・15:00~16:00
場所:国立ハンセン病資料館1階 映像ホール
ご希望の方は事前に、ハガキにお名前・ご住所・電話番号・人数(1枚のハガキで2名まで)・希望時間(第1回または第2回)を明記の上、塔和子展企画実行委員会までお申し込みください。入場整理券をお送りします。
お申し込み先:塔和子展企画実行委員会 代表・川崎正明

〒662-0811 兵庫県西宮市仁川町6-6-12
電話番号:0798-52-5639 携帯電話:090-2049-0394


○映画「風の舞」上映会
監督:宮崎信恵/著作:ピース・クリエイト(有)/2003年/60分
※当日は宮崎信恵監督の挨拶があります。
日時:2011年6月11日(土) 13:00~14:00
場所:国立ハンセン病資料館1階 映像ホール
事前申し込み不要。ご希望の方は当日会場までお越しください。

○朗読・読書会
詩選集『希望よあなたに』を読みます。
日時:2011年5月29日(日)13:00~15:00 / 2011年6月11日(土)14:00~16:00
場所:国立ハンセン病資料館1階 研修室
事前申し込み不要。ご希望の方は当日会場までお越しください。
お問い合わせ:塔和子展企画実行委員会(連絡先:上記 川崎正明)まで。


開催期間:2011/04/23 ~ 2011/07/24
 ハンセン病の特効薬がなかった時代、療養所では失明した人が、全入所者の約1割を占めていました。失明は、知覚を失い、手足など他の障がいを併せ持つ多くの入所者に、さらなる絶望を与えました。「誰かの助けを借りないと何もできない」とされていた盲人たちの多くは、部屋の片隅で柱を背にし、虚無感の中で一日を過ごすしかなかったといいます。
 戦後になり、化学療法の登場や、全国ハンセン病患者協議会(全患協)の結成など、大きな変化が起こりました。その中で「自分たちにも自分の力で何かできることがないだろうか」と各園で盲人組織が誕生し、1955(昭和30)年には、全国組織である全国ハンセン氏病盲人連合協議会(全盲連)が結成されました。盲人の幸福をはかることを目的として、生活改善のための運動をはじめ、全患協の運動にも積極的に参与しました。全盲連は、国民年金獲得や不自由者看護職員切替えの闘いでも大きな成果をあげ、今年で56年目を迎えます。
 一方、文学や音楽、陶芸、将棋にいたるまで、さまざまな文化活動も展開し、その活躍の場は療養所の外にも広がっていきました。中には点字を指ではなく、知覚が唯一残った唇や舌先で読むなど、文字通り血のにじむような努力を続けた人もいました。
 
 本企画展では、戦前から現在に至るまで、療養所においてどのように盲人たちが生き抜いてきたのか、生活や運動、そして文化活動を中心にご紹介いたします。
 困難であっても自分の可能性を信じ、様々な活動に取り組もうとした、かすかな光をもとめようとした姿を是非、ご覧いただきたいと思います。

【関連事業】
□講演会「多磨盲人会ハーモニカバンドの思い出」
多磨盲人会ハーモニカバンドのメンバーと交流のあったタケカワユキヒデさんをお招きして、思い出をお話していただきます。
日時:2011年6月12日(日) 13:30-15:30

□朗読コンサート
療養所内の盲人の方々が生み出した文学作品を、宴堂裕子さん、小池保さん、三宅民夫さんの朗読、渥美知世さんのアコーディオン演奏とともに味わいませんか。
日時:2011年7月10日(日) 13:30-15:30

※両日とも入場無料。先着順に150人まで受付。

□学芸員によるギャラリートーク
日時:2011年4月30日(土)14:00-14:30
     5月15日(日)14:00-14:30


開催期間:2011/02/11 ~ 2011/03/06
 本展覧会では高山勝介氏による陶芸作品をご紹介いたします。
 高山氏は1926年に東京で生まれました。戦後ハンセン病を発症し、1946年に多磨全生園に入園します。入園後は様々な園内作業に従事し、結婚し、畑仕事を始め、園内にある宗教団体の秋津教会に入会するなど、療養所の中で生活を送ってきました。
 しかし1979年頃ハンセン病の後遺症で視力が低下し失明しかけます。視力が低下して落ち込んでいた時、多磨全生園のリハビリテーションの一環として設けられていた陶芸室に通う藤田四郎氏から「土をこねているだけでもいいから」と声をかけられました。それから30年以上、今に到るまで作陶活動を続けています。
 作陶が目の直接的な治療になったわけではないでしょう。しかしそれが高山氏の気持ちを前向きにし、生きがいになっていったことは確かです。それは絶望や後遺症を乗り越えて療養所の中で生きる糧を見出したということでもありました。ハンセン病回復者が自身の後遺症と付き合いながら生活していかなければならないことを考えたとき、現在まで作陶活動を続けていること自体が貴重です。またその手から生み出された作品は高山氏の生きる姿そのものではないでしょうか。
 本展覧会では高山氏が制作した作品を高山氏の歩みを知ることができる写真とともにご紹介いたします。本展覧会に向けて高山氏が制作された新作も展示いたします。高山氏の姿を感じさせるこれらの作品をこの機会にぜひご覧ください。

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